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まだまだ helm-swoop.el を使ってマルチバッファ検索する

最近はまた helm.el の開発が活発に行われているようです。 少し前から helm の仕様変更のためか、 helm-multi-swoop コマンドを実行したときに、検索語句は背後で開いているバッファも含めた全体のものが表示されるものの、語句の位置に移動できるのは現在開いているバッファのみに限られてしまうようになりました。 helm-swoop.el のマルチバッファ横断検索が便利過ぎて、他のパッケージに移行できないため、こちらも ChatGPT に解決策を教えてもらいました。 問題点は、「選択移動だけでは persistent-action が走らない」ことで、 helm-multi-swoop の「選択を上下に動かすだけで対象バッファへプレビュー移動する」機能が働かなくなっているようでした。 対処法は、候補移動時に必ず persistent-action を実行させることで各候補の場所へプレビュー/ジャンプを可能にすること、および multi-swoop の source に follow を有効化することだそうです。以下を init.el に追記します。 ;;; --- 1) 候補移動+persistent-action を実行する関数を追加 (defun helm-swoop--next-line-follow () "Move to next line and execute persistent action (preview/jump)." (interactive) (helm-next-line) (helm-execute-persistent-action)) (defun helm-swoop--previous-line-follow () "Move to previous line and execute persistent action (preview/jump)." (interactive) (helm-previous-line) (helm-execute-persistent-action)) ;;; --- 2) マルチバッファ用のキーマップを『follow つき移動』へ差し替え (with-eval-after-l...
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TeX Live 2025 で upLaTeX + glossaries.sty を動かす

TeX Live 2024 の最終版で glossaries.sty に大きな変更があったようで、TeX Live 2025 版の uplatex コマンドでタイプセットを行うと (c:/texlive/2025/texmf-dist/tex/latex/datatool/datatool-utf8.ldf) ! Use of \??? doesn't match its definition. <argument> \??? ! LaTeX Error: Character code ##1 too large in \x{##2} regex. l.2220 } というエラーが表示されるようになりました。同様の問題が下記のサイトでも確認されているようです。 TeX Live 2024 で pLaTeX + glossaries.sty が動かない 原因は glossaries.sty が内部で読み込む datatool-base.sty の中の LaTeX3 の正規表現処理が upLaTeX で上手く扱えないことにあるようでした。エラーメッセージは LaTeX3(expl3) の l3regex が出しているようです。 こちらのサイトにあるコードをコピペしてみると、今度は (c:/texlive/2025/texmf-dist/tex/generic/pgf/frontendlayer/tikz/libraries/tikzli brarypositioning.code.tex)) ! Argument of \__char_generate_aux:w has an extra }. <inserted text> \par l.32 \makeindex というエラーが表示されました。今度は修正した部分が expl3 を利用している Tikz のほうで問題を起こしてしまうようです。 解決の糸口が見えないため TeX Live 2024 の最終版よりも前の環境を使って誤魔化していましたが、最近 ChatGPT に尋ねると問題の回避策を提案してくれたので記録しておきます。 datatool-base.sty の先頭付近で、いま使っているエ...

YaTeXでインライン数式の括弧を挿入する関数

EmacsのLaTeXの入力支援モードであるYaTeXでは、YaTeX-insert-dollarという関数が定義されていて、ドル記号"\$"を入力すると"\$\$"が入力され、カーソルは2つのドル記号の間に移動し、入力モードは直接入力に切り替わります。 日本語入力をオフにしなくとも直接数式入力に移行できることや、インライン数式環境の閉じ忘れが防げるので重宝しています。 LaTeXのインライン数式モードとして、他にも"\\("と"\\)"で括る方法があり、ドル記号を入力するのと同じような挙動をする関数が欲しいなと思っていたので作成してみました。 とはいってもYaTeX-insert-dollarとYaTeX-insert-dollars-regionの挿入文字列を変えてみただけです。 今のところの問題点は、数式モードの開始にドル記号が使われていても、"\\)"で閉じてしまうところです。ドル記号と括弧のどちらで開始された数式モードであるか判定する機能が欲しいところです。 (defun YaTeX-insert-math-paren () (interactive) (if (or (not (YaTeX-closable-p)) ; (= (preceding-char) 92) ;; (and (YaTeX-in-math-mode-p) ;; (or (/= (preceding-char) ?$) (/= (following-char) ?$))) (YaTeX-in-math-mode-p)) (insert "\\)") (insert "\\(\\)") (forward-char -2) (and YaTeX-use-jmode-hook (fboundp 'add-text-properties) (add-text-properties (- 2 (point)) (+ 2 (point)) (list 'point-left 'YaTeX-jmode-hook 'point...

mozc.elでの日本語入力における句読点の自動修正

通常の日本語の文章を書くときの句読点は「、」や「。」を使うけれど、数式を含む文章を書くときの句読点は「,」と「.」を使いたい派です。 10年くらいほど前にこの機能を実現するpunch.elというEmacsのパッケージを配布されている方がいて、便利に使わせて頂いてました。 このpunch.elはMacやWindowsのOSのIMEを利用した場合には上手く動くものの、mozc.elを利用した入力には対応していませんでした。 mozc.elで同じ機能を実現するelispをGrokにお願いして出力してもらったところ、ほぼそのまま利用できるコードを生成してくれました。 mozc-handle-event関数の実行前後の文字列入力位置を記録しておき、その範囲内の句読点をmozc-handle-event実行後に書き換えるという操作をするコードになっています。以下の内容をpunct-mozc.elという名前でEmacs Lispのライブラリに保存します。 (defgroup punct-mozc nil "Punctuation switcher in mozc" :group 'punct-mozc :prefix "punct-mozc-") (defun punct-mozc-lighter () " Punct") (defun punct-mozc-replace-punctuation (beg end) "挿入された範囲内の句読点を変換する関数。 BEG と END は挿入された文字列の開始点と終了点を表す。" (interactive) (when punct-mozc-mode (save-excursion (goto-char (1- beg)) (while (< (point) end) (let ((char (char-after))) ; (message "Position: %d, Char: %c" (point) char) (cond ((= char ?、) (delete-...

LaTeXで宛名ラベルシールの差し込み印刷をする

この記事は TeX & LaTeX Advent Calendar 2021 の20日目の記事です。 19日目は hid_alma1026 さん、21日目は 7danmoroboshi さんです。   はじめに 業務でラベルシール用宛名ラベルの作成に ラベル屋さん というソフトを利用しています。しかし公式サイトの使い方を見る限り、連名の有り無しなどの条件分岐に対応したラベル作りに対応できなさそうです。そこでLaTeXのtikzとtcolorbox, datatool, intcalcパッケージなどを利用して宛名ラベルの差し込み印刷に挑戦してみました。 TeXエンジンは、フォントの変更がしやすいという噂のLuaTeX-jaを利用することにしました。 datatool はデータセットからdata plotや表作成などが行えるLaTeXパッケージです。日本語では ブログ天地有情  [LaTeX] datatool --- CSVデータからグラフやテーブルを作成 で使い方を見ることができます。csvなどの外部データを利用することもできて、今回は作成したcsvファイルを読み込み、定型フォーマットに文字列を流し込むのに利用しました。 準備 まずは宛名ラベルの差し込み印刷に利用するcsvファイルを用意します。今回は 疑似個人情報データ生成サービス を利用して、次の画像ようなcsvファイル(personal_information.csv)を作成しました。 csvファイルのヘッダ部分は取り除いています。ヘッダ部分がある場合もdatatoolの記述を変えれば利用できるようです。各列の意味は次の通りです。括弧内はdatatoolで扱う際のkeyを表しています。 名前(Name) 郵便番号(PostalCode) 住所1(Address) 住所2(address) ご家族様表記の有無(ToFamily) 連名1(Family) 連名2(family) 出力結果 上のcsvファイルを元に作成した宛名ラベルのpdfファイルの画像を載せておきます。あくまでも画像の住所・氏名はダミーで実在しません。 1枚目の画像は印刷後に余ったラベルシールの再利用を想定して、ラベル開始位置を指定できるようにし、開始位置をずらしたものです。画像では4番目のラベル位置から宛名を配置していま...

OpenCv-PythonとpdfLaTeXで自炊pdfファイルの位置調整

この記事は TeX & LaTeX Advent Calendar 2021 の11日目の記事です. 10日目は t_kemmochi さん,12日目は yukishita さんです.   動機  書籍の自炊にブックエッジスキャナーの AvisionのFB2280E を利用しています。書籍を裁断せずに1ページずつスキャンを行うため、本の開き具合などの要因で本の序盤、中盤、終盤で得られるスキャン画像の位置ずれが大きくなります。以前からpdfLaTeXを利用して位置調整をしていたのですが、OpenCvを利用して自動化できそうだったので試してみました。 やること 本記事では、pdf化した文書画像の版面(文字の印刷された部分の意味で使います)を半自動的に計算してpdfの画像の位置調整をするために、OpenCvとpdfLaTeXを利用する方法を解説します。手順としては Pythonの画像認識用ライブラリであるOpenCvを利用して版面を計算する。 テンプレートエンジンライブラリのJinja2を使って画像のバウンディングボックスなどを記述したLaTeXファイルを作成する。 pdfLaTeXでpdfを読み込み、位置の調整されたpdfを作成する。 という流れになっています。作業環境としては、 Visual Studio CodeをRemove - WSL拡張機能と併用 しています。PythonやそのライブラリはWSL上のUbuntuにインストールし、他にもpdfファイルを他のファイル形式にするためにpoppler-utilsなんかもインストールしました。 参考記事 OpenCvを利用した文書画像のレイアウト解析については ブログSomething Like Programming内の記事 Document Layout Analysis githubリポジトリ rbaguila/document-layout-analysis OpenCv-Pythonチュートリアル を参考にしました。 pdfLaTeXがpdf加工に使えるという話と、pdfpagesパッケージの存在は doraTeXさんのブログTeX Alchemist Onlineの記事 pdfTeX による見開きPDFの結合・分割 で知ったように思います。 画像pdfをpdfpagesで取り込む ま...

LaTeXの出力pdfにグリッドラインを引く(自炊pdfの画像位置調整)

普段購入した専門書をスキャンしてpdfファイルにし、ipadやPC画面で読むようにしています。書籍のスキャンには AvisionのFB2280E を利用しています(国内の代理店での価格は私が購入した海外の通販サイトの値段の3倍くらいになっているようです)。国内では同じくらいのスペックのブックスキャナーとしてPlustekのOpticBook 4800が手に入りやすく、私もこちらを所持していましたが故障のため買い替えました。FB2280は後発のためスキャン速度はOpticBook 4800より速いです。しかし付属のソフトがよろしくないことと、スキャン位置とボタン位置が離れていてスキャンし辛いなどの短所もあります。 本体付属ソフトは使いづらいため、スキャンソフトは NAPS2 を利用しています。 また非破壊のスキャナーであるために、解体・裁断してスキャンするよりもページごとの位置ずれがかなり大きくなります。また、スキャンしたときに本の背に近い部分は光が届かず黒い帯がでます。 黒い帯部分の削除には Briss というJava製のソフトを利用しています。GUI操作で偶数ページと奇数ページを分けて一度にcrop操作を行えるので便利です。 pdfをcropしてもreaderで表示される部分が変わるだけで、元の画像情報は残っています。表示されない部分を完全に消してしまうには、今の所AdobeのAcrobat PRO DCの「非表示情報を検索して削除」を利用する方法しか寡聞にして知りません。非表示情報の削除と傾き補正、OCR処理にはAcrobat DC Proを利用しています。 自炊したpdfの余白についてwebで検索すると、ipadなどで読むために余白を削りたい人が多いようです。私は適切に余白があるほうが圧迫感が無く読みやすいと感じるので,cropしたpdfをpdfTeXで処理して余白の追加をしていました。 最近はページごとの上下左右の振れが気になってきたので、余白の調整に試行錯誤しています。以下からが本題です。 TeX-LaTeX Stack Exchangeの この記事 を元に、 eso-pic , pdfpages , tikzパッケージを利用してpdfファイルの全面にグリッドを表示させるようにしてみました。画像では画像位置の調整のためのガイドラインの表示も行っています。 ...