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YaTeXで数式括弧の大きさ変更

LaTeX数式で大きさ指定の括弧を書くとき、毎回\bigg(\bigg)などと記述するのは結構面倒なものです。
普段からYaTeXを使っているのですが、括弧の大きさを変更出来る機能があることを最近初めて知りました。

\Bigl( ... \Bigr) などのような括弧の上で [prefix] c と打鍵し、l,L,h,H,r,nの中から好きなものを選択すると括弧の大きさを変更できます。ただし YaTeX-use-AMS-LaTeX を t にしておくことと、 \Big(\Big)のような記述では反応しないので注意が必要です。

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定理環境をmdframedからtcolorboxへ乗り換え

追記:2016/05/02 以前に掲載していた定理環境のマクロでは、カウンターが変化しないような記述をしてしまっていたので、全面的に書き換えました。 追記:2016/06/06 tcolorboxのオプションを追加できるように書き直しをしました( tcolorboxを使った定理環境 )。 LaTeXの話です。 これまで定理環境の修飾にmdframed.styを利用してきました。 mdframedを用いた定理環境の修飾(platex+dvipdfmx, tikz) しかし上の投稿で用いた記述をしていると、定理環境がページの下部にきたとき、まれに以下のように環境が新しいページに送られてしまい変なところで改ページが起こります。 TeX-LaTeX Stack Exchangeでも同様の不具合が報告されていて、mdframed.styの作者が回答して解決しているようなのですが、私の場合は上手く行きませんでした。タイトル部分の位置の計算に問題があるようです。 そういう訳で、mdframed.styよりも高い表現力を持つtcolorbox.styには興味を持っていました。今回は、mdframed.styで記述していた部分を、ソースの変更無しにtcolorboxで置き換えてみたので、その紹介をします。 tcolorbox.styで置き換えた結果は次のようになりました。 見た目はほとんど変わっていません。中のboxは別のtcolorbox環境です。 この定理環境のソースコードは次のようになります。 \usepackage{tcolorbox} \usepackage{varwidth} \tcbuselibrary{breakable} \tcbuselibrary{skins} \definecolor{frameinnercolor}{RGB}{49,44,44} \newcounter{theorem} \numberwithin{theorem}{section}% numberwithinはamsmath.styで定義されている \newenvironment{theorem}[2][]{% %#1 = タイトル, #2 = 定理環境名 \refstepcounter{theorem}% \newtcolorbox{...

OpenCv-PythonとpdfLaTeXで自炊pdfファイルの位置調整

この記事は TeX & LaTeX Advent Calendar 2021 の11日目の記事です. 10日目は t_kemmochi さん,12日目は yukishita さんです.   動機  書籍の自炊にブックエッジスキャナーの AvisionのFB2280E を利用しています。書籍を裁断せずに1ページずつスキャンを行うため、本の開き具合などの要因で本の序盤、中盤、終盤で得られるスキャン画像の位置ずれが大きくなります。以前からpdfLaTeXを利用して位置調整をしていたのですが、OpenCvを利用して自動化できそうだったので試してみました。 やること 本記事では、pdf化した文書画像の版面(文字の印刷された部分の意味で使います)を半自動的に計算してpdfの画像の位置調整をするために、OpenCvとpdfLaTeXを利用する方法を解説します。手順としては Pythonの画像認識用ライブラリであるOpenCvを利用して版面を計算する。 テンプレートエンジンライブラリのJinja2を使って画像のバウンディングボックスなどを記述したLaTeXファイルを作成する。 pdfLaTeXでpdfを読み込み、位置の調整されたpdfを作成する。 という流れになっています。作業環境としては、 Visual Studio CodeをRemove - WSL拡張機能と併用 しています。PythonやそのライブラリはWSL上のUbuntuにインストールし、他にもpdfファイルを他のファイル形式にするためにpoppler-utilsなんかもインストールしました。 参考記事 OpenCvを利用した文書画像のレイアウト解析については ブログSomething Like Programming内の記事 Document Layout Analysis githubリポジトリ rbaguila/document-layout-analysis OpenCv-Pythonチュートリアル を参考にしました。 pdfLaTeXがpdf加工に使えるという話と、pdfpagesパッケージの存在は doraTeXさんのブログTeX Alchemist Onlineの記事 pdfTeX による見開きPDFの結合・分割 で知ったように思います。 画像pdfをpdfpagesで取り込む ま...

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この記事は TeX & LaTeX Advent Calendar 2021 の20日目の記事です。 19日目は hid_alma1026 さん、21日目は 7danmoroboshi さんです。   はじめに 業務でラベルシール用宛名ラベルの作成に ラベル屋さん というソフトを利用しています。しかし公式サイトの使い方を見る限り、連名の有り無しなどの条件分岐に対応したラベル作りに対応できなさそうです。そこでLaTeXのtikzとtcolorbox, datatool, intcalcパッケージなどを利用して宛名ラベルの差し込み印刷に挑戦してみました。 TeXエンジンは、フォントの変更がしやすいという噂のLuaTeX-jaを利用することにしました。 datatool はデータセットからdata plotや表作成などが行えるLaTeXパッケージです。日本語では ブログ天地有情  [LaTeX] datatool --- CSVデータからグラフやテーブルを作成 で使い方を見ることができます。csvなどの外部データを利用することもできて、今回は作成したcsvファイルを読み込み、定型フォーマットに文字列を流し込むのに利用しました。 準備 まずは宛名ラベルの差し込み印刷に利用するcsvファイルを用意します。今回は 疑似個人情報データ生成サービス を利用して、次の画像ようなcsvファイル(personal_information.csv)を作成しました。 csvファイルのヘッダ部分は取り除いています。ヘッダ部分がある場合もdatatoolの記述を変えれば利用できるようです。各列の意味は次の通りです。括弧内はdatatoolで扱う際のkeyを表しています。 名前(Name) 郵便番号(PostalCode) 住所1(Address) 住所2(address) ご家族様表記の有無(ToFamily) 連名1(Family) 連名2(family) 出力結果 上のcsvファイルを元に作成した宛名ラベルのpdfファイルの画像を載せておきます。あくまでも画像の住所・氏名はダミーで実在しません。 1枚目の画像は印刷後に余ったラベルシールの再利用を想定して、ラベル開始位置を指定できるようにし、開始位置をずらしたものです。画像では4番目のラベル位置から宛名を配置していま...